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一冊の本と、長い夜のはじまりへ。
2026.09.18
今宵、ずっと本棚で眠っていた一冊を手にして、ひとときの余白を心に広げてみましょう。秋の夜長、内なる声が静かにほどけていくのを通して、いつもと違った場所から今をみつめてみるのもわるくありません。今日の一冊は ”THE CLASSIC OF TEA”、 喫茶の古典として最も有名な「茶経」です。
中国、唐時代の茶人「陸羽」が記した茶経は、八世紀後半に書かれ、現存する最古の茶の専門書と言われています。有名な一節、「茶は、南方の嘉木なり」をご存知の方もおられるでしょう。
茶経には、植物としての茶の生態、育て方、製茶の方法に始まり、良いお茶を飲むための道具や水の選び方、唐代の茶の飲用方法にいたるまで、十章にわたって、喫茶文化が体系的につづられています。
当時すでに禅の修行と深く結びついていた茶から宗教的な要素を切り離し、文化的な側面にフォーカスした章立ては、茶を知る上で今なお古びることがありません。茶人、陸羽は類を見ない、ユニークな生き方を貫いたクリエイターと思うと、とても親しみが湧いてきます。
情熱的だった夏が通り過ぎて、鴨川の上空を、渡り鳥たちが北から南から行き交うようになりました。来週は秋の上海を訪れる予定です。次は中国の現代に流れる茶の時間をお伝えできたらと思います。