コレクション: 在来
種から育った実生の茶樹で、20世紀の終わりには、茶の全栽培面積の約1割にまで減少しています。他殖性植物である茶樹は、同一品種では交配しづらいことから、在来種のお茶は基本的に、別の品種同士が交配した雑種です。日本で茶の品種改良が始まったのは1955年ごろとされており、それまでは何世代にも亘って自生種、渡来種を育んできました。挿木による植樹とは異なり、実生で育った茶樹は根を深く生やし、強い生命力を蓄えています。茶葉は大小入り混じり、葉色は少し黄味を含む緑色です。収穫量もまちまちで手が掛かりますが、土地や株ごとに色濃く表現される個性が在来の魅力であり、冬夏では特に大事にしている茶味です。